朝夕日記

現在スイスジュネーブ在住。ものすごくどうでもいい身辺雑記です。

病院通い。

朝、10時半頃兄に起こされる。
寝ぼけて兄を見ると黒いフォーマルスーツ姿。「え、もう通夜?でも父さんは単なるインフルエンザだったのでは…私が寝ている間に何があったんだ?」とボケた頭であせったら兄が「このスーツどう?ピチピチじゃない?」と間の抜けた問いかけをする。そういえば今日の午後、兄は大事な用があったのでした。その為20年近く前に作ったスーツを持ち出してきたら当然のごとくお腹がピチピチなのでみっともないかどうか聞きたかったらしい。
昨日の今日で紛らわしい格好をしないでくれ、兄ちゃん。
とりあえず、ピチピチ度は許容範囲だったのでその旨を伝える。ただし、ジャケットのボタンを閉じたらヤバそうだ。「ネクタイはパッションの赤かインテリジェンスのブルーか?ブッシュは討論のとき青に変えたらケリーとかぶっちゃったんだよな。」と訳のわからないことをいいながら鏡を見る兄。それを見ながら兄が高校生の頃、デートに行く前に似たようなことをして騒いでいたのを思い出す。えらく進歩のない兄妹だ。結局ネクタイは情熱の赤と知性の青が品よくまざった細かいチェックになりました。わはは。
兄が出かけていった後、朝から病院に行っていた母が帰宅。二人でお昼を食べたあと台所で喋っていたら、窓から近所に住む叔母が走ってくるのが見える。「昨日の騒ぎを聞いて走ってくるに違いないぞ、母ちゃん。」といったらそのとおりでした。「昨夜、救急車が近いと思ったのにお父さんが別に見に行かなくても良いっていうから、もう。知らなかったのはお父さんのせいよ!」と叔父に訳の分からない八つ当たりをしている。どうも今朝、近所の人に「知らなかったの?」といわれたのが口惜しいらしい。さらにご近所ニュースによると父は重体で私と姉もその為に帰っていることになっている。いや、私は偶々いただけで、姉は北海道にいるってば。噂は恐ろしいねえ。叔母には「だからインフルエンザだって」と教えておきました。その後、ひとしきり親戚の噂話をしたあと叔母は帰っていき一件落着。
さらに今日は前から頼んでいた業者が白アリ防止の薬を撒きに来る日でもあったそうで。何でこう事は一遍におこるのかね。丁度良いので薬を散布している間、母に休んでもらう。業者が帰ったあと、今度は二人で病院へ。父はかなり熱が高くトイレにも行けない様でトレーニングパンツをはかされていてちょっとおかしい。しかもそれが男女兼用のLサイズだったのでこれまた兄を同じくピチピチでしある。親子で何をやってるんだか。後でLLサイズを調達しておきました。
父は普通に喋っていると思ったら急に「馬が一杯調教されてるなあ。」と言い出す。「え?」と思った母が「何が?」と聞くと冷静に「馬が。」と答える。さらに「どこに?」とたずねると「ここに。目の前にたくさん馬がいるぞ。」というので思わず二人で顔を見合わせてしまいました。まあ、いるものはしょうがないので「そうかい。」で会話がおしまいになる。その後、父は「脳梗塞ではないが念のため」とMRI検査へ。残された母と二人で「馬がいるたあ、困ったね。」と話す。
「熱も高いし、お昼も食べなかったみたいだから夕食も食べないかもね」といっていたらMRI検査から父がえらくすっきりした顔で帰ってきた。「検査どうだった?」とたずねると「ごーん、ごーん、いってた。」と簡潔な答えが。さらに配膳された夕食をみて「食べる」と一言。やっぱり鉄壁の食欲でした。とりあえず大丈夫だこりゃ。
父の夕食を見届けて帰宅。この様子だと明日は神戸に帰っても問題なさそうなので予定通り帰ることに。