朝夕日記

現在スイスジュネーブ在住。ものすごくどうでもいい身辺雑記です。

恐るべし、フランスの小役人。

今日は金曜日。
引退するABさんの車を買うことになっている私は2人で待ち合わせてまずフランスの税関へ。フランスに住んでいたABさんから車を買うということはフランスからスイスに車を輸入することになるのでその手続きに行ったのですが、これが中々手ごわい一日となりました。
大体まず輸出する方のフランス側は、手続きが簡単でそんなに時間が掛からないはずだったので、職場には単に遅れるとだけ連絡しておいたのですがこれがとんだことに。
税関のおばさんが、いきなり書類にハンコを押して、「これを持ってGEXのオフィス(車で最低30分)まで行って新しい通行許可証とライセンスプレートを貰って、古いライセンスプレートを持って来い。」とのたまうではないか。何だか前に聞いていた話と違うぞ、と思うとフランス語を助けるため一緒に来てくれていたABさんの元同僚が「なんだそれ。なんでそんな遠くまで行くんだ。大体なんでわざわざ新しいプレートをつけなきゃならんのだ。どうせすぐスイスで付け直しじゃないか」と文句をいったら「そんな意見はともかく、今のルールはこれだ」と一点張り。
まあ、とにかくGEXに行きましょうとGEXに行ったら、ここがなんと今回一番の官僚地獄でした。(笑)まず、長蛇の列に窓口一つ。そこに座ってるおばさんは究極の「私がルールブックだ」な担当者でした。極めつけは30分以上待った後で「コンピューターが壊れたのでもう何も出来ない」と言いだす。待っていた全員が唖然とする中、窓口の向こうでは怒鳴りあってるし、電話を握り締めてガーガー言ってるおばさんからようやく申請書類だけ貰うことに成功。この時点ですでに私の午前中は有給を取ることに決定。
午後に電話をすれば出来るかどうか教えてやるというので午後にABさんの元同僚が電話をかけるとコンピューターは復活した模様。ここで半日休みを一日に切り替えてABさんと2人で出直す。ABさんは日曜日に日本に帰ってしまうことになっているので自分がいる間にフランスの手続きだけでも〜と一生懸命やってくれるが、おばさんは手ごわかった。(笑)
午後になって再び整理券を持らうとすでに前には10人ぐらいの人が待っている。待ちながら聞くともなしに聞いていると、順番が来た人は全員無事にすまない。かならず、書類が違うだの、来る順番が違うだの、ここが担当ではないだのと言われて、最悪出直しか、書類の書き直しか、また並びなおしとなっている。見ているこちらは怒るというより、あまりの理不尽さにちょっと感心してしまいました。何だか映画の「未来世紀ブラジル [DVD]」みたいだ。一人のおじさんが耐え切れずに怒鳴りだすと、すでにここに慣れているらしい、同じく待っていたお兄さんが黙っておじさんに「あなたのご意見、ご要望をお聞かせください」と書いたアンケート用紙を渡しているではないか。(笑)今のマリアンヌがにっこり笑っている写真の横に「あなたの意見を聞かせてね。」と書いてある箱におじさんは無言で怒りのアンケートを突っ込んでました。それを見ていた私の隣で待っていたおばさんも無言でアンケート用紙を手に取って猛烈な勢いで書いている。…ちゃんと読んでもらえるのだろうか。かなりアヤシイ気がするけど。
我々の番となり、書類を渡すとやっぱり一枚は書き直し。午前中に誰が書くのか確認したときおばさんが無視して返事をくれなかったヤツでした。(笑)でも何とか終わったところですでに夕方。スイス側の税関はまだやっていたのでとりあえず問い合わせに行くと、その手続きはトランジッターという業者がやっているのでそちらに行け、と言われる。なぜか税関内にオフィスがあるこの民間業者がそういった手続きの代行をしているらしい。「今日はもう3台も待っているので出来ない。来週ならいい」と言われたのでとりあえず月曜に出直すことに。これで有給をもう半日使うことが決定。でもGEXのおばさんにはもう会わなくてもいいのでちょっと嬉しい。(笑)
その後職場にちょっと顔を出して一日終了。いやあ、何だか小役人の鏡を見てしまった一日でした。

未来世紀ブラジル [DVD]

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