久しぶりの人ごみ
所要があって大阪へ。
人が多くてげんなりする。心斎橋商店街を歩くのはおもしろかったんですが。大阪は商店街に活気があるなあ。
御堂筋線でぐったりしながら、池波正太郎の「銀座日記(全)」を読む。両親が大ファンだった関係でこの人の本は小学生の時からずっと読んでいる。もちろんこの本に収められている日記を読むのも初めてではない。でも何度読んでも楽しい。満員の地下鉄の中から深夜の書斎で仕事する作家とそれを見つめる猫、というとてつもなく静かな空間に連れて行ってもらい、ようやく一息ついた。
そういえば、亡くなったときもう池波さんの新しい本が読めないと思うとただひたすら悲しかったなあ。長生きしてほしかったです。ホロヴィッツの「トロイメライ」じゃないけど年を重ねていくことでしか生まれない「美しい切なさ」のようなものを表現できた人だと思うので。
まあ、年をとればとるほど「無残」としかいいようのない状態になる人もいるけどね。
ていうかこっちの方が数が多いのが問題だよなあ。
- 作者: 池波正太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1991/03
- メディア: 文庫
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